Murakami Ken - Photographer

首都高速3号線の高架と、道路沿いの建物に密閉された様な国道246号。通称、玉川通り。
田園都市線沿線で育った私は父の車の助手席に乗り、幾度となくこの道を通りました。

いま私の車の助手席には息子が乗り、流れ行く車窓と、私の運転にまつわる動作を見つめます。 信号待ちで、いつのまにか眠りについた息子に目をやると、窓のむこうの建物の隙間から光が見えました。
車を寄せ、写した夕暮れ。
オレンジ色の空に、過去が走馬灯のようにながれ、未来がおぼろげに輪郭を現すと、少し救われたような気がしました。

なぜなら、私は父と息子をつなぐ、つなぎめのような存在なのかもしれないと思えたからです。
一つ、私がここにいる意味が見いだせた気がしました。

朝日新聞デジタル

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